予防接種について
ある特定の疾患の場合、事前に細菌やウイルスなどの病原体から作り出されたワクチンを体内に接種しておくことにより、免疫が生じ、その病気に罹りにくくなったり、もし罹患しても軽くて済むようになります。
さらに、ご自身が罹患しにくくなるだけでなく、周囲の方に感染症を流行させるリスクを減らす(集団免疫)という目的も期待できます。すなわち、予防接種はご自身のため、そして周囲の皆さまのために行われるのです。
ワクチンの種類
大きく分けて、病原性が弱くなったものを選別して作られた「生ワクチン」、ホルマリン処理などで毒性を無くした「不活化ワクチン」があり、下記の通り、それぞれの疾患ごとに適切な方法で作られています。
生ワクチン
- まず、生きた病原体(細菌やウイルス)の毒性を弱め、症状が出ないように極力抑えます。このようにして作られた製剤を人に接種して感染させ、免疫(抵抗力)をつけるワクチンです。
- 1回の接種でも十分な免疫を作ることが出来ます。ただ、自然感染より免疫力が弱いので、5~10年後に追加接種した方がよいものもあります。
- ワクチンの種類によっては、2~3回の接種が必要なものもあります。
- 副反応としては、もともとの病気のごく軽い症状が出ることがあります(3週間は注意して観察するようにしてください)。
- また、次に違う種類のワクチンを接種する場合は、4週間以上の間隔を空ける必要があります。
不活化ワクチン
- 細菌やウイルスにホルマリンや紫外線による処理を加えて病原性(毒性)を失わせ、免疫をつけるのに必要な成分だけを製剤にしたものです。
- 自然感染や生ワクチンに比べて産生される免疫力が弱いため、1回の接種では将来的な予防効果が得られません。そのため、十分な免疫をつけるには、数回の追加接種が必要になります。(接種回数はワクチンによって異なります)。
- 副反応としては、注射部位の腫れなどであり、通常は数日で収まります(24時間は注意して観察するようにしてください)。
当クリニックで行える予防接種
当クリニックでは、インフルエンザ予防ワクチンと、高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種が可能です。なお、ワクチンの在庫がない場合がございますので、事前にお電話(0296-71-8585)にてご予約をお願いいたします。
インフルエンザワクチンについて
- インフルエンザを予防するワクチンです。
- 接種してから予防効果が出るまでに約2週間かかりますが、その効果は約5か月間持続します。
- インフルエンザウイルスは毎年少しずつ形を変え、異なるタイプが流行するため、その年に合った予防接種を毎年行う必要があります。
- 通常、12~翌年3月頃の寒い時期に流行していますので、その前に予防接種を受けるよう心がけてください。
肺炎球菌ワクチンについて
- 主な肺炎球菌による疾患を予防するワクチンです。
- 接種は、1年を通して、いつでも可能です。但し、5年以内に再接種を行った場合、注射部位に痛みなどが強く生じることもありますので、再接種をご希望される方は5年以上の間隔をあけるようにしてください。