放射線科とは
放射線などを活用した画像診断機器を用いて病気の診断と治療を行なう専門診療科です。健康診断などの際にX線検査などを受けられた方も多いと思いますが、このような検査で得られた画像を正確に読影したり、がんなどの放射線治療を行なう役割を担っているのです。
最近は画像診断の技術が著しく進歩しており、MRIなどによって、病変の有無、進行度合などをかなり詳細に把握できるようになってきました。これに伴い、放射線科の役割も増しているのです。
放射線科の主な検査内容
胸部X線撮影
心臓や肺、大動脈などの形や大きさを調べる検査です。これにより、心臓が肥大化していないか、形状に異変はないか、肺の動脈や静脈に異常は見られないか、肺の内部に水が溜まっていないか、うっ血はないかなど、胸部の病変を調べることが出来るのです。
なお、撮影する部分に金属やプラスチック、湿布薬などがあると、正確に撮影することが出来なくなります。診断の妨げにならないよう、撮影前に外すようにしてください。
胸部X線で発見できる病気
- 肺炎
- 慢性閉塞性肺疾患
- 転移性肺腫瘍
- 慢性気管支炎
- 肺結核
- 心不全
- 大動脈瘤
- 間質性肺炎・肺線維症
- 気胸
- 縦隔気腫
- 動脈硬化 など
MRI検査
MRI(磁気共鳴画像撮影)は、強い磁気と電波の力によって身体の内部の状態を撮像する検査機器です。脳や脊髄に用いることにより、脳血管のわずかな狭窄や動脈瘤などを詳細に把握することが出来ますので、脳疾患の早期発見・予防にとても役立ちます。また、脊椎や股関節・膝関節などの疾患を確認する上でも広く行われます。
なお、MRIはX線検査やCT検査とは異なり、放射線被ばくがありません。造影剤を用いなくても頭頚部の血管がきちんと映し出すことが出来ます。但し、磁気を使用しますので、心臓ペースメーカーや除細動器を使用されている方、金属製の人工心臓弁を使用されている方、人工内耳を埋め込んでいる方、動脈瘤クリップを使用されている方、材質が不明な金属(インプラント)が体内に入っている方などは行うことが出来ません。妊娠初期(4か月以内)の方もお控えください。
MRI検査で発見できる疾患
- 脳腫瘍
- 脳血管障害
- 脳の外傷
- 頚椎症
- 頸椎・胸椎・腰椎のヘルニア
- 股関節の異常
- 膝関節の異常
- 骨軟部腫瘍
- 関節の靭帯損傷
- 半月板損傷
- 肝臓・胆嚢・膵臓の腫瘍性病変
- 子宮・卵巣の異常
- 腎臓・膀胱・尿管の異常
- 内耳疾患
- 咽頭・喉頭の異常 など
超音波検査
検査を行いたい部位に超音波を当て、その反射波(エコー)をモニターに映し出すことによって疾患の有無、疾患の状態などを判断する検査方法です。
X線画像検査などとは異なり、被ばくのおそれもないため、日を変えて複数回の検査を行い、疾患の状態変化を観察することもできます。非侵襲的な検査法なので、痛みを伴うこともありません。とても一般的な検査であり、腹部をはじめ、心臓、頸動脈、甲状腺、乳房、運動器など様々な部位で行われています。
検査を行う際には、検査部位と機器の密着度を上げるためにゼリーを塗ります。検査時間は目的部位などによって異なりますが、概ね15~60分程度です。
超音波検査で発見できる病気・症状
- 心臓エコー
- 心臓弁膜症
- 拡張型心筋症
- 肥大型心筋症
- 心臓肥大
- 先天性心疾患
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 心不全
- 心筋炎
- 心臓腫瘍
- 心臓内血栓
- 感染性心内膜症 など
- 腹部エコー
- 肝臓腫瘍
- 脂肪肝
- 肝嚢胞
- 胆管腫瘍
- 胆管結石
- 胆嚢ポリープ
- 膵腫瘍
- 膵腫大
- 腎血管筋脂肪腫
- 腎結石
- 水腎症
- 胸水
- 腹部大動脈瘤 など
- 頸動脈エコー
- 頚動脈の状態
- 動脈硬化の進行度
- 下肢静脈瘤 など